2019

経営コンサルティング事業

J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(10) 20年後の結論

ワイリー提督は自ら提唱する総合戦略理論について20年後に振り返った章を設けます。このため、前回のタイトルが「とりあえずの結論」となった訳です。20年間の時の重さに耐えた結論は結局次の通りとなります。   ①戦略家が実戦時に目指さなければなら...
経営コンサルティング事業

J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(9) とりあえずの結論

ワイリー提督は自ら提唱する総合戦略理論のエッセンスを、①戦略家が実戦時に目指さなければならない最大の目標は、自分の意図した度合いで敵を「コントロール」すること、②これは戦争のパターンによって達成されること、③この戦争のパターンの支配は、味方...
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J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(8) 総合理論の発展

ワイリー提督は自ら提唱する総合戦略理論の妥当性検証を行うために戦争に共通項があるかどうかの整理を行います。適応対象となる戦争に共通項がないにもかかわらず総合戦略理論を提唱することは理論設計に無理があるためです。戦争には1)侵略者側と防御者側...
経営論コラム

J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(7) 総合理論の根底にある前提

ワイリー提督は自身が構築しようとする総合戦略理論には、普遍性、特殊性、構造、包括性が必要といいますが、議論を単純化するために「戦争戦略の基礎」として制限を加えたうえで、総合戦略理論には①「いかなる防止手段を講じられようとも戦争は起こる」、②...
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J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(6) 今までの戦略理論の限界

ワイリー提督は従来の戦略理論の限界として「今までに起きたことは説明できるが、これから起きることを論理一貫的な形で説明できるものはない」と指摘します。この指摘を受けて、ワイリー提督は理論構築の方針として二つのアプローチを提示します。第一は同意...
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J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(5) 今までの戦略理論

ワイリー提督は戦略理論を、マキャベリやクラウゼヴィッツあるいはリデル・ハートによる陸上戦略理論、マハンやコーベットによる海上戦略理論、ドゥーエによる航空戦略理論、毛沢東による低強度戦闘戦略理論(一般的な用語ではゲリラ戦戦略)で分類しますが、...
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J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(4) 戦略論の肯定

小室直樹博士によりますと、経済学における理論とはモデルによって事象を説明するものであるといいます。このためモデルによって単純化するために起こっている事象のうち一部を無視することはあるといい、起こりうる事象を最もよく説明できるモデルを構築でき...
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J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(3) 戦略の分類

ワイリー提督によれば、戦略は「順次戦略」と「累積戦略」に分類できるといいます。順次戦略とは「それぞれ別個の行動から形成された、ある一定の段階を踏んでおり、しかも各段階は戦略家によってあらかじめ起こることがそれぞれはっきりと予想されており、そ...
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J.C.ワイリー『戦略論の原点』を読む(2) 戦略の定義

ワイリー提督によれば、戦略とは「何かしらの目標を達成するための一つの『行動計画』であり、その目標を達成するために手段が組み合わさったシステムと一体となった、一つの『ねらい』である」と定義されます。この定義を行うことによって、軍事以外の分野に...