管理会計といえば

岡本先生の原価計算を立たせてみました

管理会計論には教科書がかなり出版されていますが、避けて通れない書物が一橋大学名誉教授岡本清先生の「原価計算」です。多くの書物が立て掛けることができない中、岡本先生の「原価計算」は立て掛けることができます。厚さは図っていませんが10センチはあろうかという書物です。

とはいえ、日本語で書かれた原価計算の書物を読むにあたり避けて通ることは出来ません。この書物の内容をベースにして管理会計を語りたいというのが本コラムの趣旨です。

私は加護野先生の「事業システム戦略」を10枚のコラムにするという暴挙に出ましたが、これと並行して岡本先生の原価計算をベースに管理会計を考えたいと思います。

岡本先生は「違った目的には違った原価を」という言葉を引用されています。製品を一体いくらで売るのかということから始まって、事業意思決定まで幅広く扱っている書物ですから「一つの計算技術」について解説をするということは意図されているわけもなく、我々としても計算技術の話だけで有用性の認識をするということは困難です。

岡本先生の「原価計算』もほかの教科書と同じように、最初に「なぜ原価計算が必要なのか」「原価計算はどういう歴史を踏まえて発達したのか」「原価計算の定義」というとても退屈とされる話に始まり、商的工業簿記、実際原価計算、標準原価計算と地獄を通過した後に、楽しい?意思決定会計の話が出てきます。最後はEVA(EVAはスターン・スチュアート社の登録商標です。

とはいえ、会計指標を登録商標にするとは恐ろしいことを考える会社ですね。)地獄の計算技術は他の人に任せますが、この地獄を経ないと先には進めないので我慢して頑張りましょう。

今日の最後は「原価計算とは、企業をめぐる利害関係者、とりわけ経営管理者にたいして、企業活動の計画と統制および意思決定に必要な経済的情報を提供するために、企業活動から発生する原価、利益などの財務データを、企業給付にかかわらしめて、認識し、測定し、分類し、要約し、解説する理論と技術である」という岡本先生の原価計算に関する定義で締めようとしたのですが、経営管理者って誰だ?経済的情報とは?企業給付?と思わず考えたくなるようなコメントがあります。

定義である以上定義内で使われる言葉は辞書的な意味以外には何もないというのが一般的な用法なのですが、ここでは思わず「うーん」とうなりつつこんなものかと思いましょう。ちなみに「認識し、測定し、分類し、要約し」は財務会計論で同じことが出てくるのでまあ、「ふんふん」と読むことにします。これを肩ひじ張らずにコメントするというのは暴挙であるという気がしませんか?

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