企業向けの財務論を講演します

W_ayame2041 2014129日水曜日に企業経営者向けに大東商工会議所において財務について説明します。このことを受けて財務について少しお話をします。財務と一言で言いましても、少なくとも3つの意味があるように思います。一つ目は資金繰り、二つ目は資金調達、三つ目にファイナンス理論の意味で用いられます。どの意味で用いられるかは注意深く聞く必要があるのですが、これらの3つはそれぞれにオーバーラップするため財務という言葉で何を言っているのか案外はっきりしないものです。

 今日は、多分あまり話されることがないであろう3つ目のファイナンス理論に関して少しお話をします。今年から非課税少額投資制度、いわゆる日本版ISAが10年間の時限立法で実施されます。貯蓄から投資への流れを作るために立法されたものですが、年間に元本100万円とその配当に関して非課税口座を経由して購入したものについて非課税となるもので、最大500万円分まで口座を持つことができます。日本証券業協会では女優の剛力彩芽さんを起用して「私投資家デビュー」なんていうキャンペーンを張っていますし、日本版ISAを扱う金融機関ではいろいろとキャンペーンを行っています。

 では、「私が投資家デビュー」をする際に前提となる知識は何か、ということになりますが、個人投資家向けの投資教育というのはほとんど行われていない現状を考えると少しは話をしてもいいのではないかと思います。投資教育が行われていない証拠に確定拠出型企業年金、これは日本版401lkと呼ばれていますが、の運用先のトップは元本保証型の定期預金になっています。確定拠出型年金の正体は投資信託なのですが、このことが伝えられていないため元本保証型の定期預金が一番の運用先となっているからです。

 ファイナンス理論を利用するのは非常に簡単です。「市場が効率的であるならば、最も効率的な投資は市場全体である」という結論だけ知っておけば充分だからです。この結論を具体的に実行するにはインデックスファンドまたは市場連動型上場ETFに投資することになり、具体的な投資先の検討を行う必要はプロに任せておけばよいのです。市場が効率的であるという前提が受け入れられなければ実行は不可能ですが、現時点では市場が効率的であるという検証が行われており、広く受け入れられている事実です。最も効率的な投資とは最善の結果を得るという意味であって一番儲かるという意味ではありません。儲けるためには市場に対してアクティブに攻めていく必要がありますが、どう攻めればよいのかという方法については「誰も口を割りません」。このこともファイナンス論、とくに効率的市場仮説から導くことができる結論の一つです。もし、独自の攻め方があったとするならば自分で黙って実行するだけです。公表する時点でみんなまねして利益を得ることができないという状態になるため無意味になります。ただ実際には若干効率的でないため、その点をついて余資投資を行って利益を得ていることはあります。このことを知っておくと「私、投資家デビュー」できます。

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