新規事業に使える補助金が熱い

1.  中小企業等事業再構築促進補助金概要

新しい補助金として中小企業等事業再構築促進補助金が「ポストコロナ・ウイズコロナ時代の経済社会の変化に対応する」ための補助金として公表されました。執筆日である2021年2月4日現在、公募要領が公表されていないので内容は不正確なところが多いのです。しかし、補助金についていえば政策意図を考察すればある程度内容はわかります。政策意図として今までの業種では生き残っていけない中小企業に新規事業展開や業種転換を行って、雇用を維持してほしい点にあります。

事業再構築補助金の申請に際して3つの要件を満たす必要がありますので、補助金申請に対してはその要件を確認することが必須であり、公募要領を読んで把握する必要がありますが、現時点では公募要領作成中です。

2. 事業再構築とは

事業再構築補助金のチラシには「新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す」とありますので、これらが何を指すのかについて検討する必要があります。その内容を明らかにするのは、現時点においてチラシの裏面に記載された15種類の事業転換を参考にします。これらは、自社の事業の延長線上にある何かを行う例を示しています。このため無関連多角化ではないことが読み取れます。なお、公募要領には事業再構築の定義が掲載されることになっているらしいです。チラシには事業縮小の文字がありますが、これは無視すればいいことになっています。

3. 対象となる3要件

1.申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。

2.事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。

3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

等の言葉があるのは、中小企業の他に個人事業主も含まれるという意味があります。

4. コロナで売上が10%以上落ちた可能性のある企業

 コロナで10%以上の売上低下が認められるときに「コロナ以前」がいつを指すのかが問題になるのですが、まだ前年同期比となる公算が高いです。これは従来のコロナ関連の補助金や助成金が採用していたことからの推測です。来月までならこの指標でコロナ以前以後が導けます。

5. 事業計画の作成と実施

事業再構築を行うにあたっての設計図となる事業計画を「認定経営革新等支援機関」とともに制定せよとあります。チラシには「認定経営革新等支援機関や金融機関」とありますが金融機関はほぼ全部認定支援機関ですから「認定経営革新等支援機関」とまとめても支障ありません。この補助金の大きな特徴は「事業計画の実施」も求めていることです。実は実施という点については認定経営革新等支援機関に対してくぎを刺しているといわれています。事業再構築計画の立案に認定経営革新等支援機関が支援することは多いのですが、実行については関与が少ないらしいことから定められたと思われます。

 なお認定経営革新等支援機関は中小企業庁や各地の経済産業局のホームページから検索できます。

6. 付加価値の増加を達成すること

付加価値==営業純益(営業利益−⽀払利息等)+⼈件費(役員給与+役員賞与+従業員給与+従業員賞与+福利厚⽣費)+⽀払利息等+動産・不動産賃借料+租税公課で算出されます。この式を中小企業方式といいます。この式で大きな数値は人件費ですので、人件費を増やすと付加価値は増えます。

では付加価値が目標通りに増えなかった時にはどうなるか、もしかすると補助金返還の可能性も否定できませんが、そこまではしないだろうという可能性を感じました。

7. 事業計画を作成するうえで念頭に置くこと

実現可能性の低い事業再構築計画を作ることは控えます。一般論ですが事業再構築をする際には夢や希望を込めるため夢物語になる可能性があります。次に事業再構築ということで自社のリソースとは非連続な計画になりやすい可能性があります。このような計画は実現可能性が低いです。

資金手当ができない計画を控えます。通常、補助金を請求するときは採択者が立替えを行う必要があることが多いです。最大6,000万円(中小企業一般枠)ですから、先に振り込まれると思われがちですが、先に立替払を行いますので資金繰に注意が必要です。

実際に実行すること。補助金採択後、何らかの理由で事業計画に問題が見つかったとしても実施する必要があります。もっとも軽微な修正は可能です

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