経営革新計画(1) 経営革新計画承認への第一歩

「経営革新」とは、「中小企業経営力強化法」第2条第7号で定められている用語で、「事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること」を指します。なお、新事業活動についても定義が法律上にあり、同法第2条第6号で「新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動」と定義されています。「新」については自社にとってであって、社会全体に対してイノベーションを起こすことを意味しません。

今回、経営革新計画承認を目指すことを考えられたのは次の動機によります。

① 事業計画を立案する中で今後の10年の方針を確立しその中で自分の方向性を発見したい

② 事業承継に伴い従来の会社運営では会社の将来に希望が持てないので、新規の製造技術に活力を見出したい

③ 事業承継に伴い、従来の事業領域では将来性を見出すことはできないので、新規分野にチャレンジしたい

事業承継と連動して経営革新の検討を行うことがあり得る背景には、事業承継が進まない理由の中に現在の主力事業に将来性がないことが含まれています。とはいえ先代経営者にとっては思い入れのある企業であり事業でありますから何らかの手を打たずに消滅させることも忍びないことになります。企業存続のために経営革新制度を用いることはあり得ます。なぜなら、経営革新制度は計画内容について第三者の審査が入ることがその要因として考えられるからであり、ずさんな計画であれば承認されないからです。

経営革新計画の承認を受けますと幾つかのメリットが存在します。都道府県により若干違いますが大阪府の場合は次の通りです

① 中小企業信用保険法の特例

② 日本政策金融公庫による低利融資制度

③ 日本政策金融公庫スタンドバイ・クレジット制度

④ 販路開拓コーディネート事業

⑤ 中小企業投資育成株式会社法の特例

⑥ 起業支援ファンドからの投資

⑦ 特許関係料金減免制度

⑧ 大阪府経営革新計画「承認企業」「達成企業」シンボルマーク

⑨ ものづくり補助金等の加点要素になる

ただし、「最近、経営コンサルティング会社等が、経営革新計画の承認を受ければ、必ず政府系金融機関による低利融資等の支援策が活用できるかのように宣伝し、トラブルとなるケースが報告されております。経営革新計画の承認とは別に支援機関による審査がありますのでご注意ください」と言っております。

これから経営革新計画の承認を目指す訳ですが、経営革新計画の承認は原則として都道府県が行います。経営革新計画の承認を目指すために最初に行うことは、都道府県担当者から説明を受けることです。大阪府の場合は毎月1・2回マイドームおおさかないしはクリエイションコア東大阪において担当部署による説明会が行われます。或いは大阪府庁咲洲庁舎にある担当部署に行くことができれば説明の時間を設定してもらうことも可能です。なお、計画の提出先は、都道府県、各都道府県、地方支分部局、本省とありますが、まずは大阪府の場合大阪府商工労働部中小企業支援室経営支援課経営革新グループに問い合わせることになります。最初に持っていくものは事業計画です。

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