企業財務入門(12) 『中小企業の財務強化策』

当社が属する銀行融資プランナー協会では、中小企業の「財務の重要性」を繰り返し訴えておりますが、企業財務の役割は幅広いため、中小企業の財務の定義が曖昧になっている方も多いようです。

 

敢えて分かりやすく定義すると、中小企業における財務活動とは、「資金計画を立てる」「資金繰りを管理する」「資金調達を行う」行為になります。企業を存続させるための資金の管理と調達です。このこと自体は大企業における財務と大きく違うことはありません。

 

資金という企業の血液循環を維持する財務活動は全ての企業にとって大切ですが、財務活動をしっかりと行っている中小企業は多くありません。特に、年商が5億円に満たない中小企業でおろそかになっているケースが良く見られます。

どんぶり勘定、近視眼的な資金管理、稚拙な資金調達では、企業の成長が期待できないばかりか、ちょっとした不測の事態が発生しただけで、経営が大きく傾いてしまいます。

 

中小企業に財務活動が浸透しない要因のひとつに、元々、財務の知識とスキルを持ったプロフェッショナルが少ないという点があげられます。金融実務の知識やスキルを持つコンサルタント、大手企業や銀行に勤務経験のある財務部長は、社長以上の年俸を必要とする場合があるため、予算の面で中小企業にフィットしません。それなりの予算が捻出できる中堅以上の企業に流れてしまいます。

よって中小企業の財務活動を担う人員は、現実的には殆ど存在しません。

 

中小企業の経営者にとって、財務活動に関する情報源は、身近な経営者仲間や税理士さんになります。相談している相手は経営や税務のプロであり、決して金融実務に精通している訳ではありません。財務に関する書籍の多くも、中堅以上の企業をモデルに書かれたものであり、中小企業の金融実務とは違います。

 

実際、中小企業の財務活動には間違いが多く見受けられます。

中小企業を知り尽くした財務のプロとなると、出会うのはさらに困難です。

 

当社が属する銀行融資プランナー協会は、世の中に中小企業に特化した財務活動の担い手が存在しないことに着目しました。財務活動は中小企業の経営を大きく変えるという信念を持ち、中小企業に特化した財務のプロフェッショナルを目指しています。私たちが目指す財務のプロフェッショナルとは、単に資金繰り表を作成したり、金融の一般論をアドバイスしたりすることではありません。関与先の財務担当として、客観的な経営判断の尺度を提供し、資金調達が必要であれば、案件の構築から金融機関のコーディネートまで、主体的に実務を取り仕切ります。

銀行融資プランナー協会とは、中小企業の財務・金融実務の習得に励む税理士事務所などの集まりです。通常の税務業務はもちろん、財務と金融に関する他には無い実務スキルを身につけております。

 

 

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