企業財務入門(20) 『伸びる企業の共通点』

『伸びる企業の共通点』…重大な経営判断は経理の成果物を基に下されています。

 

正しい経営判断、確実な資金調達、最適な節税を行うためには、正確な経理が必要です。理由は、経理の成果物である財務諸表を基にそれらの判断が行われているからです。中小企業は一般的に経理が弱いと言われておりますが、成長を志向するならば、経営判断の基礎となる経理を、まず強化する必要があります。

 

■ 経理の目的は正確な利益数値を求めることです。

経理の主な仕事は、事業活動で発生する取引を記録することです。一つ一つの記録の集合体が、決算書や試算表といった財務諸表になります。取引記録の漏れや間違いなどがひとつでもあれば、正しい利益を把握することは出来ません。9割の出来では不合格です。経理の目的を明確にせず、ただ何となく経理業務を任せている経営者の方も多いのではないでしょうか。

正しい利益の分からない財務諸表など何の価値もありません。正確な利益数値を追究することを、経理の目的としましょう。

 

■ 重大な判断は財務諸表を基に行われます。

経営判断、融資の審査、法人税の計算は、全て財務諸表を基に行われます。お手元にある試算表や決算書は正確でしょうか。不正確なデータを基に下される判断は、当然間違ったものになります。経営者自らが簿記を理解する必要はありませんが、貴社の経理が記録したデータを基に財務諸表が作成され、その財務諸表を基に重大な判断が下されている、という仕組みを理解する必要があります。

 

■ 経理が弱いことで被っている不利益の例。

融資審査を断られたとしてご相談に来られるケースがあります。

しかし、その半数以上が、実際には断られた訳では無く、単純に検討が不能であっただけと考えられるものです。金融機関の担当者から、「決算を見てから・・・」と言われた経験はございませんでしょうか。財務諸表が不正確では、そもそも良い悪いの検討すらしようが無いということです。

事実、私どもで正確な財務諸表を作成することで、一度断られた融資を受けられるケースは多くあります。経理が弱いために、本当は受けられるはずの融資を受けることが出来ていない中小企業が多くあります。

 

IMG_1323大企業と中小企業とでは経理業務に対する取り組み方が大きく違います。

大企業だから経理業務に力を入れているのではなく、伸びる企業は共通して経理業務を大切にしています。

経理部門、経理担当者を上手に活用して、経理が弱いことで被っている不利益を取り除きましょう。

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