企業財務入門(11) 「キャッシュフロー計画書作成のすすめ」

IMG_0455度が始まって一カ月経過したという会社も多いと思いますし、1月始まり企業においては3分の1が経過して期初に立てた事業計画通りに推移したかどうかの点検の時期となりました。現在の進行期では、一般的な事業計画では無く、キャッシュフローの計画と実績の推移を確認してみるのはいかがでしょうか。経営者としてやるべきことが明確になります。

 

○ 事業計画書の問題点

中小企業にとっての事業計画書とは、(銀行用などに)形式的に作成するもの、もしくは、作成しても意味が無いもの、というのが実態ではないでしょうか。

 

顧問先様からも「利益目標とか言われても実はピンと来ません…」とお聞きすることがよくあります。確かに「利益」という概念を真に理解するのは簡単ではありません。また、利益目標の設定は、明確な根拠に基づいている訳では無く、おおよそ売上の5%くらいかな…といった具合に決められていることが多いため、そもそも

目標として妥当かどうかも分かりません。

 

また、「利益目標が達成されてもキャッシュが無くなれば倒産する」という点にも注意が必要です。利益が出ているという安心感が、キャッシュ不足という現実をぼかしてしまうこともあります。

 

○ キャッシュフロー計画書とは

キャッシュフロー計画書とは、売上や利益の計画では無く、売上金の回収、借入、設備投資等、あらゆる事業活動を含めた資金の計画です。1年後、2年後、3年後…の利益では無く、資金(現預金)の増加を目標としています。

 

○ キャッシュフロー計画書の特徴

実際のキャッシュの出入りを管理するため、事業計画書よりも分かりやすい点が特徴です。

 

また、事業計画書では把握できない、取引条件の変更、借入の返済、設備投資等も網羅していますので、売上や利益がどれくらい必要かということはもちろん、売上の回収期間を短期化すべき、借入の返済期間を長期にすべき、無駄な資産を売却してキャッシュを獲得すべき…など、社長としてやるべきことがより明確になります。

 

また、将来のキャッシュ残高が予想できるようになりますので、倒産しにくくなるという利点もあります。

 

当社が、利益よりもキャッシュフローを重視したコンサルティングを行っているのには他にも理由があります。

 

例えば、将来の結婚や葬式の積立金を預かる互助会や、チケットを事前に購入してもらう業態等は、売上よりも先にキャッシュが入ってくるため、資金が潤沢になります。

 

資金調達力の弱い中小企業でも、この様にキャッシュフローを重視した取組を行うことで、大きなビジネスを展開できる可能性が高まります。

 ただし、上場企業が作成を義務付けられている関節法キャッシュフロー計算書は、2枚の貸借対照表と1枚の損益計算書から作成するため、ここでいう事業計画書以上にわかりにくいものです。ですからキャッシュフロー計画書とキャッシュフロー計算書は似て非なるものですので注意してください

当社では、キャッシュフロー計画書を使用して、顧問先様の最適な資金管理をサポートする「キャッシュフローの番人」業務を行っております。ご興味のある方はお問合せください。

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